文学散歩~早稲田・目白台・関口界隈を歩く

     

7月11日、生徒のための文学散歩が行われました。本校国語科の萩原茂先生がナビゲーターとなり毎年実施されるこの行事は、今年で23年目になります。中学1年生から高校3年生まで37名の生徒が参加し、夏目漱石、會津八一、細川家、村上春樹ゆかりの地を訪ねました。

【主な見学地】

夏目漱石生誕の地碑、會津八一記念博物館、杉原千畝の碑、大隈庭園、関口芭蕉庵、永青文庫、和敬塾、肥後細川庭園等

【生徒の感想から】

早稲田大学の會津八一記念博物館で一番すごいと思ったのは、「明暗」という絵です。書物を読んで知識が増えることを、日の出の下から上へ明るくなっていく絵によって表現しているそうです。知識を日に例えることがすごいと思いました。また驚いたことは、この建物が昔図書館だったときに、本が並んでいない閉架式だったことです。昔は本はとても大切にされていたのだと思いました。(中1 R・H)

私は永青文庫もすごいと思いました。こういう所が昔の時代のものを保管してくれているおかげで、今の時代にさまざまなものが伝えられているのだなと改めて実感しました。展示物の中で特に興味を持ったのは扇子でした。部屋の真ん中に飾られていたあの扇子はとてもきれいでした。昔に作られたはずなのにどうやってこんなに美しいままとっておけるのか、昔の時代にその扇子を創る技術があったことにも興味がわき、調べてみたくなりました。(中2 A・S)

吉祥6年目にして初めて文学散歩に参加した。この国で、同じ地を踏んだ文豪たちの息遣いを感じ、平面であった物語が立体となって、或る種現実になる、そんな体験をすることができた。今日、早稲田大学の演劇博物館を訪れた。文学と演劇は全く別のものだと長らく思っていたが、実は表裏一体であることに気づかされる。文学としての脚本を役者が身体を張って表現すれば演劇になる。そこでは役者に流れる血となった文学が温度となって新たな美が生まれる。文学は文庫本の文字のみならず、姿かたちを変えて我々のそばに存在しているのだと思える。(高3 E・K)

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