4月中旬の土曜日、高校2年生および3年生の理系生徒は、年に一度開催される「理化学研究所和光本所一般公開」を見学します。この一般公開では、日本で最先端の科学研究を行う同研究所の研究室や施設の公開をはじめ、講演会や各種イベントが行われており、科学的な興味を喚起されるものになっています。広大な敷地に、物理学、化学、生物学、工学、脳科学など様々な分野から100を超える研究発表が用意されており、研究室の研究員の方々が日々取り組まれている最先端の科学研究を、参加者にわかりやすく解説して下さいます。また普段は入ることのできない大規模な研究施設内の見学をすることもできます。
小学生から社会人の方まで多数の方々に混ざって、吉祥生もそれぞれが興味を持つ分野を中心に見学します。日々の理科の授業で学んだことがどのような形で発展していくのか、そして、最先端の科学研究とは一体どういうものなのかを肌で感じ、大きな刺激を受けます。例年、研究員の解説を熱心に聴き、疑問点を繰り返し質問するなど、熱心なやり取りをする生徒の姿も多数見られます。勉学や研究に対するモチベーションを高め、自らが進む専門分野への情熱をより大きなものにする生徒も多数います。

生徒の日誌から

 今回、始めて理化学研究所を見学して、たくさん驚きを感じたのだが、まず初めに敷地の広さに驚いた。端から端まで歩くのに15分以上はかかって、建物も十数個あり、ここで研究できたら色々な分野を研究している人と交流がもてて、新鮮で良さそうだと思った。研究所や理系の大学のキャンパスは建物がグレーで質素なことを不思議に感じた。
 研究所の人は皆、何か尋ねると、近寄ってきて優しく丁寧に説明をしてくれることに感動したし、私もこれくらい一つのことについて話せるような研究をしてみたいと思った。レポートには、分光器と3Dプリンタを紹介したが、他にもiPS細胞を見る、味覚を利用した人工的に作ったとても甘い甘味料を体験する、ブラックホールと写真を撮る、生物の断面のコンピューター解析を3Dで見るなどの展示に行った。どれも、実際に体験したりしてただ写真で見るよりもずっと記憶に残る経験になったし、新しい技術の先駆けが見えて、将来の科学技術への関心が一層高まった。色々、日本の研究への不信感も募っているが、私は見学してみて、日本の研究は絶対世界に負けていないと感じた。
 あとは、理研で研究されている技術ができるだけ速く一般の人に普及することが重要だと思った。時間の都合もあり全てが見学できたわけではないし、これからもまた新たな研究が始まったりするので、大学生になったらもう一度行きたいと思う。