羽ばたけ撫子たち~卒業生の活躍~ - Messages from Kichijo OGs -

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インタビュー

吉祥は、自分の意見を自由に表現し、お互いを尊重する文化が自然に根付いている環境でした。この風土は、現在裁判官として働く中で非常に役立っています。

東京地方裁判所 裁判官清水理桜子さん

現在の様子を教えてください。
清水理桜子さん(以下、清水理桜子 東京地方裁判所で裁判官として働いています。昨年12月に司法修習を終え、今年1月に裁判官に任官しました。最初の半年間は、新しい職務に慣れるための試行錯誤の連続でした。現在は刑事部の左陪席裁判官として、主に、3人の裁判官で担当する合議事件や、殺人や強盗致傷、放火といった重大事件が対象となる裁判員裁判などを扱っています。左陪席は合議事件の主任裁判官と位置付けられていて、裁判全体の進行管理や判決文の一次的な作成などを担っており、さまざまな面で実力を向上させるために日々努力しています。
吉祥時代を振り返って思うことを教えてください。
清水理桜子 吉祥は、自分の意見を自由に表現し、お互いを尊重する文化が自然に根付いている環境でした。この風土は、現在裁判官として働く中で非常に役立っています。裁判官としての仕事では、新人であっても一人前の裁判官の意見として尊重され、自分の考えを恐れずに持つことが求められます。吉祥の環境で育まれた、お互いの意見を尊重し合う姿勢が、今の職務においても重要な役割を果たしています。また私は文章を書くことが好きで、国語の授業で課される作文も好きでしたし、他教科のレポート課題なども文章力を養うのに大きく役立ったと思います。また学級日誌を書くのも好きでした。担任の先生が日記を読んでコメントをくださり、一人ひとりと向き合ってくれたこともよく覚えています。
これからの夢についてお聞かせください。
清水理桜子 一つ一つの事件に対して真剣に取り組み、より良い判断を下すことを大切にしたいと思っています。実は吉祥の課題の一つにあった「社会人インタビュー」で裁判官にインタビューしたことが、私が裁判官になろうと思ったきっかけでした。その際に裁判官が、憲法76条3項を紹介しながら、裁判官は、その中立公平な立場から、自らの良心に従い純粋に努力できることが魅力であると話しており、感銘を受けました。この頃の気持ちを胸に、目の前の仕事に全力で取り組み、社会に貢献していきたいと考えています。
吉祥生へのメッセージをお願いします。
清水理桜子 中高時代にぜひ夢中になれるものを見つけてほしいです。吉祥は、自分の好きなことにとことん向き合える素晴らしい場所です。私の周りにも何かに熱中しているものがある友達が多かったように思います。そしてお互いにそれを自然に認め合っていられるのが吉祥の良さだと思います。その経験は必ず将来の糧となります。今しかできないことに熱中し、自分の可能性を広げていってください。

Profile

清水理桜子さん

東京地方裁判所 裁判官

経歴

2010年4月
吉祥女子中学校入学
2016年3月
吉祥女子高等学校卒業
2016年4月
中央大学法学部法律学科入学
2020年3月
中央大学法学部法律学科卒業
2020年4月
東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻(法科大学院)入学
2022年3月
東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻(法科大学院)修了
2022年9月
司法試験合格
2023年12月
司法修習終了
2024年1月
東京地方裁判所に着任 現在に至る