高1林間学校で登頂するのは標高2700m弱の宝永山。高2では、宝永山では物足りず、富士山頂登頂を果たしたいという希望者が、「富士登山林間学校」に参加します。吉祥では林間学校での富士登山の長い伝統があり、これまでの数多くの先輩たちが富士登頂を果たしています。
1日目は、学校からバスで出発し、そのまま富士山五合目へ。ここで引率教員のほかに、登山をガイドしてくださる経験豊かなガイドさん2名とも合流します。昼食をとって、装備を整えると、富士山頂への一歩を踏み出します。着実なペースで登山道をのぼり、まだ日も高い夕刻に7合目山小屋に到着。深夜の出発に備えて、夕食をとり早めに就寝します。
2日目は午前0時半に起床します。天気に恵まれれば、山小屋の外は一面の星空。普段東京では決して味わうことののできない大自然の天体ショーを前に、大きな感動と驚きが湧きあがります。そしていよいよ山頂へのアタック。7合目より上は岩場が多く、真っ暗な中をヘッドライトの明かりを頼りに歩みを進める。少しずつ夜の底が白んできたころ、八合目に到着。東の方角から徐々に太陽が姿を見せ始め、眼下を覆い尽くす雲海上に、眩いばかりに輝くご来光が放たれます。ここから先は高度がますごとに薄くなっていく空気を懸命に吸いながら、互いに励まし合いながら頂上を目指します。そして山小屋出発から約6時間後、富士山頂に到着します。下山はやや単調な道を、最後の気力を振り絞り、お昼頃には五合目に到着し、帰京します。
このように、まさに「富士登山のための」林間学校ではありますが、決して困難に挫けず、己に打ち勝ち、励まし合いながらの登頂は、生徒たちにとっても大変貴重な経験となっています。