高2国内研修旅行は6月上旬に2泊3日の行程で実施されます。研修先は京都と奈良。興味を持った名所や史跡を訪ねて多くの文化遺産に触れ、日本の伝統文化への見識を深めることが研修の目的の1つです。各班ごとに研修のテーマを決めて、関連の施設見学をしたり、体験を行います。
初日は午後からの半日、2日目は朝から夕方まで丸一日、班別行動による研修です。2016年度からは、生徒たちの自立心を高め、より柔軟に充実した研修行程が組めるよう、京都現地集合という形になります。原則的には、往路の新幹線等のチケットも、それぞれが自分で手配、準備することになります 。
また、学校から離れた環境の中で、学年、クラスの親睦を図ることも目的の1つです。初日の夜、宿泊先の旅館では、学年全体のレクリエーションで盛り上がります。レクリエーションを企画、運営するのは研修旅行委員やレク係の生徒たち。彼女たちは、想像を超えた企画力と統率力を発揮し、200人以上の集団を楽しませます。事前に周到な準備を重ねて、当日を迎えます。彼女たちは、仲間を盛り上げることの重要性を理解しています。リーダーとして労を惜しまず、プライドを持ってレクを運営します。それ以外の生徒たちも、彼女たちの心意気を感じ、大いに楽しみます。吉祥生活5年目の生徒たちの、集団としての資質の高さを感じられる瞬間でもあります。
3日目は最終日。午前は、クラスごとの研修を行います。金閣寺、銀閣寺、北野天満宮など京都市内の名所を巡るクラスも、比叡山まで足を伸ばし、根本中堂で講話を聞く体験をするクラスもあります。そして、嵐山で集合し、研修旅行最後の昼食をとり、帰京することになります。
吉祥では旅行も「自主自立」です。実際に、事前の計画通りにいかずに計画の変更を余儀なくされる班もあります。そこでは計画を修正する判断力と、新たな計画の立案力も求められます。ハプニングも含めて全てが勉強となり、同時に思い出となるはずです。

生徒の感想より

 竜安寺の石庭は授業で聞いていたとおり、15個の石のうち、必ず1個は他の石に隠れて見えませんでした。一見適当に石を置いたようだけれど、実は計算し尽くされていて、余計なものを全てそぎ落とした美しさを感じました。今回の研修旅行では、京都の歴史的建造物を見るのも楽しかったけれど、景観を壊さないように茶色を主としたコンビニや、「来た人をおもてなししたい」という京都の人たちの優しさがよくわかりました。

生徒の感想より

 今日の一番の楽しみは上賀茂神社でした。上賀茂神社は、百人一首の中の従二位家隆による「風そよぐならの小川の夕暮れは禊ぞ夏のしるしなりける」が詠まれた地です。この歌は、夏も終わりの終わり、夏越しの祓いの際に詠まれ、とても清々しく、それでいて夏が終わるというどこかさびしさも感じさせる歌です。家隆といえば、平安から鎌倉にかけての秀才として有名です。この神社の中の橋本社には藤原実方(「かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを」の詠み手)が祀られています。そんな百人一種でいっぱいの神社で勝守を頂きました。
 ならの小川で水遊びをしました。歌に思いをはせつつ、暑さを忘れて楽しみました。みんな、私のわがままにつきあってくれてありがとう!