祥美会講演会を開催しました

 

1月24日、吉祥ホールにて祥美会講演会「款冬花(ふきのはなさく)~灯火の影~」が開催されました。今年度は朗読家の原きよさんをお迎えし、七十二候で「款冬花」と呼ばれるこの季節の移ろいを表現しながら、太宰治作品の朗読を届けてくださいました。朗読された作品は、「雪の夜の話」「葉桜と魔笛」「女生徒」「桜桃」「富嶽百景」の五編で、太宰文学の多彩な世界に触れる貴重な機会となりました。

朗読では、作品ごとに登場人物の心情が丁寧に描かれ、聴き手はまるで物語の中に身を置いているかのような臨場感を味わいました。情景や人物の様子が自然に浮かび上がり、その感覚が会場で共有されていたことが印象的でした。

作品の合間には、原さんと、太宰治の研究を長年続けてこられた理事長・萩原茂先生による対話が行われ、各作品の成立背景や太宰の内面について解説がありました。作品の背景を知ることで、朗読に込められた表現の意味がより鮮明になり、文学を多角的に味わう時間となりました。

朗読会終了後のフリーセッションでは、朗読における「間」の取り方に多くの関心が寄せられました。原さんは、せわしない現代社会における時間感覚での「間」と、かつてのゆったりとした「間」の違いに触れながら、朗読ではあえて余裕を持った「間」を大切にしていると語られました。その静かな間合いが言葉に深みを与え、聴き手の想像力を広げることを実感させる、印象深いひとときとなりました。

(役員S)

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