「吉祥祭テーマ発表」がありました

4月24日(水)、吉祥祭実行委員会から全校生徒に向けて「吉祥祭テーマ発表」がありました。この「吉祥祭テーマ発表」は、中学生全員、高校生全員がそれぞれ体育館に集まり、実行委員会から、その年の吉祥祭のテーマを全校生徒に伝えるものです。テーマの発表に先立ち、実行委員会は、劇を用いながら、テーマに込められた意味を伝えました。面白い場面では笑い声が上がったりして、盛り上がりを見せていました。

そしてその後に、第81回吉祥祭テーマが発表されました。今年のテーマは…「はたらく」です。今年の吉祥祭に向けて、これから各団体はこのテーマに沿って、企画を考え、準備していきます。実行委員会は「はたらく」というテーマに、職業そのものや働く人を取り巻く環境などの意味や、労働の対価としてお金を受け取るというシステムや、働くことの目的、意義等の意味も含めました。そして、日本では今働き方がニュースなどで問題になっており、一方で世界にはいろいろな働き方があってそこにも目を向けていきたいということも含めています。

吉祥祭実行委員長は、このテーマについてスライドを使い、詳しくその内容や真意を説明しました。次に、PRセクションリーダーが「はたらく」のテーマロゴを発表して、そのデザインに込めた意味を説明しました。ロゴがスクリーンに映し出されると、そのインパクトに客席から驚きの声があがっていました。その後、今年度のシステム上の変更点が説明され、ポスター・ゲート製作委員会がメンバーの募集を呼びかけました。最後に、吉祥祭実行委員会の高2メンバー全員が壇上に立ち、あいさつしました。

吉祥祭まであと149日、吉祥祭実行委員会はがんばっていきますので、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

実行委員会生徒が作成した第81回テーマ「はたらく」の説明文を紹介します。

今年度吉祥祭実行委員会では第81回吉祥祭テーマとして「はたらく」を掲げます。

このひらがな4文字「はたらく」には、職業そのものや働く人を取り巻く環境などの意味のみならず、労働の対価としてお金を受け取るというシステムや働くことの目的、意義等の意味も含めてあります。私達は、特に大人になった時、労働に従事し、そこに自分の多くの時間を費やします。このように、「はたらく」ことは人生の一部でありながら、そのとらえ方は人やその人の置かれた環境によって異なります。そして「はたらく」ことについて考えることは「生きる」ということを考えることにつながります。

私達人間は生きるために「はたらく」必要があります。しかし、現在の日本社会は、頑張って働いていても、自分の内的な要因、あるいは外的な何らかの要因によって「はたらく」ことのできる環境や立場を失い、再チャレンジすることに困難が伴うような側面も指摘されています。日本では様々な制度が働く人の立場に立って改正されつつあります。しかし、私達中高生はどこかで日本社会にはブラック企業が存在するということを感じています。そして、どのようにしたら、将来、適切な場所で自分らしく働けるかについても考えています。一方で、女性の社会進出が期待される風潮は広がりつつあり、私達吉祥生の将来の選択肢はますます増えていくことが予想されます。

そのような時代だからこそ、私達吉祥祭実行委員会では第81回吉祥祭テーマに「はたらく」を掲げます。そして、吉祥生全員に「はたらく」ことについて考えてもらい、それを社会に発信していただきたいと考えています。以下では、具体的に、「はたらく」に関連する研究対象として大きく3つの視点を提示したいと思います。

1つ目の視点は日本において過去に存在したり、現在存在する職業と、近未来に新たに生まれたり、無くなったりすることが予想される職業についてです。

過去と現在を比べると、例えば蒸気機関車のかま焚きや、銭湯でお客の背中を流す三助などや、時代が経過するにつれて一部の職業が無くなっています。その一方で、ネットの普及などによりYouTuber、ゲーム実況者などの近年新しく発生した職業もあります。このように、時代が経過するとともに人々が収入を得る手段は多様化しています。一方で、AI などの技術の進化から、今後無くなることが予想される職業や、新しく発生すると考えられる職業などもあります。このように歴史的事実をたどり、時代によって変化し続けている職業について、様々な角度から具体的に考察していただきたいと思います。

2つ目の視点は日本社会における様々な「はたらきかた」についてです。 日本では、産休・育休制度などが徐々に浸透しつつあり、子供を持つ労働者が「はたらく」形を選ぶことが出来る場面も増えています。また、労働者の働き方を改善することを目的の一つとした「働き方改革関連法」も成立し、2019年4月より、順次施行されているところです。しかし、会社や組織によっては、過酷な働き方が強要され、過労死が起こってしまったり、非正規雇用者が未だ十分な待遇を得られていなかったり、というような社会問題も多数発生しています。このように日本国内での「はたらきかた」について調べるとともに、働きやすい環境を後押しするための政策や、それでも労働の現場に根強く残る社会問題などの様々な事象についても考察して頂きたいと思います。加えて、この視点では、在宅勤務などの近年増えてきている新しい「はたらきかた」の可能性についても研究・発信できると考えられます。

3つ目の視点では世界に視野を広げた「はたらきかた」についてです。

北欧の国では、両親休暇制度という制度を定め、母親と父親のどちらもが育児に関わりながら仕事ができるような法律があります。一方でアフリカや東南アジアなどの一部の貧しい国で、14歳未満の少年や少女を労働に従事させ、彼らが義務教育を受ける機会が妨げられている、という児童労働に関する社会問題が発生しています。日本と、別の国とでは「はたらく」ことの意義・目的やそれを取り巻く環境が大きく異なっている場合があります。「はたらく」ことに関してグローバルな視点を持って、様々な国の「はたらく」について考察していただきたいです。

今年度吉祥祭実行委員会では、将来私達が経験するであろう「はたらく」ことについて改めて考え、日本でだけでなく世界を含めた幅広い視点で、「はたらく」こと、そのあり方、それを取り巻く環境等についても、考察するきっかけにしていただきたいです。

同時に1人ひとりが未来の社会を担っていくのだ、という認識を持ちながら、自分の将来の「はたらきかた」や、理想とする生き方についてより深く考える機会となりえるよう、願っています。

 

 

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